iPadのASM手動登録も可能!~iPhone版Apple Configuratorの使い方~

公開日:2023/05/22
最終更新日:2023/05/22

Apple School Manager(以下ASM)で、誤ってiPadの所有を解除してしまったことはありませんか?

今回のコラムでは、簡単にiPadをASMに手動登録する方法を解説していきます。

ASMに再登録するには?

Appleの「Automated Device Enrollment(以下ADE)」※1 は、iPadのキッティングを簡略化する上で欠かせないサービスです。

けれども、ASMでiPadの所有を解除してしまうと、そのiPadはADEが使えなくなってしまいます。

これまで、所有解除済みのiPadで再度ADEを利用するには、MacBookPro等のmacOS端末にインストールされたApple Configurator for Mac(以下AC for Mac)を使って、手動でASMに再登録する方法しかありませんでした。

しかし、iPadOS 16のリリース以降、上記の方法に加え

Apple Configurator for iPhone(以下AC for iPhone) ※2

でも、iPadをADE化させられるようになりました。

従来のAC for Macと比較し、AC for iPhoneはケーブル接続や難しい設定も不要で、iPadをASMに再登録できます。

※1 ADEの詳細については、下記のURLを参照ください。
https://www.mitani-edu.jp/column/074/

※2 AC for iPhoneによるmacOS端末のASM登録方法については、下記のURLを参照ください。
https://www.mitani-edu.jp/column/087/

AC for iPhoneの利用要件

AC for iPhoneを使用するには、いくつかの要件を満たさなければなりません。

追加するデバイスの最小システム要件AC for iPhoneインストール対象の最小システム要件設定アシスタントのパネル
Mac
(macOS 12.0.1)
iOS 15国または地域を選択
iPhone
(iOS 16)
iOS 16Wi-Fiネットワークを選択
iPad
(iPadOS 16)
iOS 16Wi-Fiネットワークを選択

※参照:Apple Configuratorユーザガイド(iPhone用)
    https://support.apple.com/ja-jp/guide/apple-configurator/welcome/ios

まとめると、AC for iPhoneでiPadをASMに登録するには、

iOS 16以上のiPhoneにAC for iPhoneをインストールし、

ASM登録対象のiPadはiPadOS 16以上にアップデートする必要があります。

iPadをASMに登録してみよう

それでは、実際にAC for iPhoneを用いてiPadをASMに手動登録するまでの手順を見ていきましょう。

01)iPhoneにAC for iPhoneがインストールされていない場合は、AppStoreよりインストールを行います。

AC for iPhoneは無料でダウンロードが可能です。
https://apps.apple.com/jp/app/apple-configurator/id1588794674

02)AC for iPhoneを起動し、管理者用の管理対象Apple IDでサインインします。
※ASMでデバイス権限が割り当てられた管理対象Apple IDを利用してください。

※起動時に、Bluetoothやカメラへのアクセスを求められたら許可しておきます。

03)必要に応じて、設定からネットワーク構成を変更します。
ここでは、iPhoneをWi-Fiに接続させ、[Wi-Fiを共有]を指定します。

04)つづいて、iPadの操作に移ります。
初期化していない場合はiPadを初期化し、言語等の初期設定を進めます。
[Wi-Fiネットワークを選択]まで進めたら、操作を一時中断します。

05)AC for iPhoneを起動すると、iPadの画面が以下のように変化します。
iPadに表示された青いイメージを、AC for iPhoneで読み取ります。

06)iPadが正常にASM登録されると、[iPadが追加されました]と表示されます。

以上で、iPadがASMに登録されました。
あとはASMでMDMを割り当てるなど、ADEを利用する上で必要な設定を行いましょう。

注意点

従来のAC for Macと同様、今回のようにAC for iPhoneでASMに手動登録したiPadは、30日間の猶予期間というものが与えられます。

この期間中は、iPadがMDMから離脱できてしまいますので、出来る限り30日が経過してから児童生徒にiPadを配布するようにしましょう。

まとめ

iPadをASMに手動登録する方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

AC for iPhoneの登場により、より手軽にiPadをASMに登録できるようになりました。

今後、ADE非対応で購入したiPadや誤って所有を解除してしまったiPadをASMに登録する際は、本コラムの内容をご参考になさってみてはいかがでしょうか。

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