Appleデバイスを管理するための無料ソフトウェア「Apple Configurator 2」は、GIGAスクール構想においても各デバイスをMDMに登録する際などに使われています。デバイス管理にはDEP(Device Enrollment Program)など、他の選択肢もあるため、必ず導入するわけではないもののMacなどを導入している世界中の企業で活用されている有用な機能が搭載されているので、ICT担当者は知っておいて損はありません。その基本的な知識をまとめたので確認してみましょう。
◎Apple Configurator 2の詳細を解説した資料を公開しています。
Apple Configurator 2とは
Apple Configurator 2は、Apple社が提供している公式デバイス管理ツールです。App storeでインストールできる無料のソフトウェアで、対象となる種類が異なる複数デバイスの詳細な情報の確認や、各端末へのアプリの導入、設定変更、バックアップといった一元管理が可能になります。すでに社員にiPadなどを配付している企業などを中心に、世界中のビジネスシーンで活用されています。
Apple Configurator 2は2015年にリリースされましたが、その前身であるApple Configuratorは2012年、さらに2009年にはiPhone構成ユーティリティというソフトウェアがあり、比較的早い時期からアプリのインストールなどに利用されていました。iPhone構成ユーティリティは現在もMac版のみダウンロード可能で、Apple ConfiguratorはApple Configurator 2に置き換わる形で公開停止となっています。基本的に管理するにはUSBケーブルによる有線接続が必要で、Wi-Fiなど無線は使えないので注意が必要です。
※出典:Apple「Apple Configurator 2について」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/apple-configurator-2/cadf1802aed/mac
Apple Configurator 2の対応デバイス
Apple Configurator 2ですべての端末が管理できるわけではないので注意が必要です。2020年12月時点では、iPad、iPhone、iPod touch、Apple TVの4端末に限られます。なお、GIGAスクール構想においては基本的に10.2インチのiPadが仕様となっているので、Apple Configurator 2が活躍する機会は十分にあると考えられます。
仮に「MacBook」や「iMac」の管理と連携させたい場合は、MDM(Mobile Device Management)を導入して一括管理する必要があります。
※関連記事:「学校ICT担当者が知っておくべき端末管理(MDM)ツールの機能とは」
https://www.mitani-edu.jp/column/014/
Apple Configurator 2の機能
前述のとおり、Apple Configurator 2には複数端末の「データ・情報管理」、「端末の管理」、「プロファイルの作成」の主機能が備わっており、データの設定・バックアップおよび復元、機能制限ポリシー、iOSのアップデート、監視設定、アプリのインストールなどが行えます。それぞれの詳細を以下で解説します。
各端末のデータ・情報管理
Apple Configurator 2では、端末の情報基本管理(シリアル番号、アドレス、ID、空き容量、オペレーティングシステムのバージョンなど)のほか、インストール済みのアプリ・プロファイルを確認できます。授業で利用するアプリがクラス全員の端末にインストールされているかを事前に確認できるので、未インストールなどによる授業が遅延してしまうトラブルを未然に防げるほか、学習に関係ないアプリの監視にも有用です。
各端末の管理
Apple Configurator 2を使えば、各端末のアプリ・プロファイルのインストールや削除、監視、バックアップや復元・初期化といった管理が可能になります。いずれの機能も、端末の正しい使用や円滑な授業・学習の促進、学期末などでの端末のユーザー変更、トラブル対応など、教育現場におけるiPadの活用シーンにおいても有用な機能です。
Apple Configurator 2の使い方
ここではApple Configurator 2の使い方について説明します。
Apple Configurator 2を使用するには、インストール先となる最新バージョンのmacOSのMac(iMac、Mac mini、MacBookProなど)のほか、Macと管理対象のiOS端末と接続するために必要なUSBケーブル、複数台接続するためのUSBハブ、AppStore用のIDが必要です。これらを揃えたら、以下の手順でApple Configurator 2を導入しましょう。
■Apple Configurator 2のインストールと作業前準備までの手順
1.用意したMacにAppStore経由でApple Configurator 2をインストールする(無料)。
2.USBで管理するiOS端末を接続。
3.Macを操作してApple Configurator 2を起動、iOS端末が接続台数分だけ画面表示されれば準備完了。端末に対して各種設定を行います。
自動登録によるデバイスの準備
Apple Configurator 2と「Apple School ManagerもしくはApple Business Manager」、MDMツールの3つを連携することで、管理したいデバイスを校内などのネットワークに接続し、パスワードやIDを入力するだけで自動的にすべての設定が反映され、設定内容がデバイスに割り当てられます。無線で設定できるほか、導入時の負担の大幅な軽減につながるので活用を検討してみる価値は大きいでしょう。
※出典:Apple「Apple Configurator 2でのデバイスの準備について
https://support.apple.com/ja-jp/guide/apple-configurator-2/cade8b212c76/2.13/mac/10.15.6#apde0a19d8cd
Apple製品の管理は無料の「Apple Configurator 2」の活用も検討しよう
MDMの機能で十分なケースも珍しくありませんが、無料でデバイスの管理の効率化を図れるApple Configurator 2の使い方や利用シーンは、学校などのICT担当者が知っておくべき知識の1つです。Appleは「Apple Configurator 2ユーザガイド」で、デバイス設定の変更から構成プロファイルの使用、コンテンツ配布などの使い方を提示しているので一度確認しておくことをおすすめします。
※出典:Apple「Apple Configurator 2ユーザガイド」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/apple-configurator-2/welcome/mac
教育機関での【iPad管理】に関する資料を公開しています。
~ 教育機関におけるiPadの管理 ご紹介資料 ~
資料の内容
○iPadの管理方法
○iPadの管理でできること
○Apple Configurator 2による管理
○MDM + ADE による管理
○コンテンツキャッシュ
~Apple School Manager 入門書~
資料の内容
〇ASMとは
〇ASMの開設
〇Appとブック
〇Managed Apple IDの管理
〇クラスの管理
○デバイスの管理