学術情報ネットワーク「SINET」の概要とクラウド接続サービス利用までの流れ

公開日:2021/04/02
最終更新日:2021/04/02

学術情報ネットワーク「SINET」は、教育機関向けの情報ネットワークで800以上の大学に学術情報基盤を提供しています。
SINETは、国内はもちろん国外の研究ネットワークとも相互接続しており、一般的な商用ネットワークよりも大容量なデータ流通も可能など、非常に優れた点がたくさんあります。
今回はその概要と実際のサービス利用までの流れについて解説します。

学術情報ネットワーク「SINET」とは

学術ネットワーク「SINET」は、国立情報科学研究所(NII)が構築・運用しています。
SINET(サイネット)は、Science Information NETworkの略語であり、全国各地にネットワークの接続拠点である「ノード」を設置し、大学や研究機関に対して先進的なネットワークを提供しています。教育や研究に関するコミュニティ形成を支援することで、学術情報の流通促進を図ることを目的としています。1992年に最初の運用が始まり、2007年にSINET3、2011年にSINET4、2016年から最新のSINET5の運用が開始しています。

さらにアメリカの学術情報ネットワーク「Internet2」、欧州の「GÉANT」とも相互接続しており、世界規模で学術情報の共有を図っています。

学術情報ネットワークの接続・提供サービス

SINETは100GE、40GEという非常に高速なインターフェースを提供しているほか、情報提供・ユーザー支援やドメイン・IPアドレスなど多様なサービスを提供しています。それらを一覧にまとめたので参考にしてください。

■SINETが提供するサービス

接続サービス L3サービス インターネット接続(IPv4/IPv6 Dual) 
IPマルチキャスト
L3VPN
インターネット接続(IPv6トンネリング)
※終了予定
L2サービス L2VPN/VPLS ・ (VPN概要) 
L2オンデマンド 
仮想大学LAN 
L1サービス 波長専用線
クラウドサービス クラウド接続

情報提供/ユーザー
支援サービス

情報提供/ユーザー支援 パフォーマンス計測 
恒速ファイル転送 
トラフィック情報
時刻情報提供(NTP)
pingチェックサイト
ドメイン・
IPアドレスサービス
ドメイン・
IPアドレスサービス
ドメイン名登録 
IPアドレス割当 
分散セカンダリDNS 

学術情報ネットワーク「SINET」のクラウド接続サービス

SINETは商用クラウドと直結することで、大学などの研究機関に閉域接続環境を提供しています。
加入機関とクラウド提供事業者をL2VPN接続し、商用のネットワークを介することなくクラウド提供事業者のサービスと安全に接続することが可能になります。
十分な帯域のSINETバックボーン区間を高速利用でき、新たに専用回線を利用しなくても良いので、コストを抑えられることが大きなメリットといえるでしょう。

ちなみにL2VPNとは「広域イーサネット」といい、離れた場所にあるLAN同士を接続する方法のことです。
接続しているLAN同士でやりとりをする「閉じた環境」であることから、外部からの攻撃などのリスクが少ないことがメリットです。そのため、SINETの高速専用回線は複数の大学が共有しているものの、各機関がL2VPN接続しているので機関間は完全に独立しています。

研究機関や大学がSINETのクラウド接続サービスを活用するメリットとしては、自前で設備などを用意するよりも費用や時間的なコストが少ないことが挙げられます。
ランニングコストも低めなことから、システム管理やメンテナンスに使っていた人材やコストを研究費にあてられることも可能です。

学術情報ネットワーク「SINET」のクラウド接続サービスの流れ

研究機関や大学にとってメリットが大きいSINETのクラウド接続サービスを利用するには、申請や承認といった手順を踏む必要があります。おおまかな流れを確認してみましょう。

■クラウド接続サービスの利用申請の流れ
1.地域で定められたクラウド提供事業者とサービス利用の契約を締結
2.クラウド接続サービスのSINET利用申請書を送付
3.受付処理、利用承認(NII)
4.利用作業開始

前述したようにクラウド接続サービスを利用する際、連携するクラウド提供事業者は「サービス提供機関」として、各県や地方であらかじめ決められているので注意が必要です。2021年3月現在では42拠点、32社が提供機関として指定されています。

SINETを利用してより良い研究環境の構築を

SINETの概要とクラウド接続サービスについて解説しました。
SINETが提供するサービスや加入機関は年々増えており、海外との連携もより広く、強固になっています。SINETから始まったクラウド接続サービスにより、加入のハードルも低くなっているため良い学術や研究環境を構築するためにも利用を検討してみてはいかがでしょうか。


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