電子黒板ってなに?ディスプレイ・プロジェクタータイプの特徴と違いとは

公開日:2021/03/05
最終更新日:2021/03/16

教員にとってなくてはならない存在が黒板です。
長らく、チョークを使って図などを記して説明する方法が当たり前でしたが、最近はより多機能で効率的、かつ、生徒の理解度が高まる授業が可能になる「電子黒板」の導入を検討する教育機関が増えつつあります。
今回は注目が集まるICT機器、電子黒板の機能と「ディスプレイタイプ」、「プロジェクタータイプ」の特徴と違いについて解説します。

電子黒板の概要と主な機能

電子黒板は、パソコンの画面に表示した資料や写真などを投影するディスプレイモニター、もしくはプロジェクターのことを指します。
投影した資料の拡大、縮小はもちろん、黒板と同じようにペンや指で自由に書き込むことが可能です。また、好きなタイミングで保存できるため生徒が電子黒板に書き込んだ回答を保存して指導に役立てられるほか、前回の続きからスムーズに授業を始めることもできます。

このような機能を活用すれば、授業の重要なポイントを拡大したり、色付きのマーカーでチェックしたり、カラフルな図形を用いて説明したりできるので、視覚的な訴求力が向上し、生徒たちの学習意欲の向上につながるとされています。
加えて、電子黒板は生徒も操作可能なため、プレゼンテーションにも活用できます。また、教員が生徒と向き合って説明する時間も増えることから、教育において理想的とされている「双方向のコミュニケーションが生まれる授業」も実現しやすくなるでしょう。

さらに、これまでの授業よりも教員が板書する時間を大幅に削減することも可能です。教科書の内容も瞬時に電子黒板に投影し、直接書き込んで解説できるので、大きな効率化に期待できます。
そのほか、紙の配布資料が必要でなくなるため印刷時間およびコスト削減も可能です。チョークの粉による健康被害のリスク低減や、教員の働き方改革の実現の後押しなど、教育現場をめぐる多くの課題解決に貢献できる機能を有しています。

電子黒板の種類と特徴

電子黒板には、電子黒板そのもので動作する「ディスプレイタイプ」と既存の黒板やスクリーンに投影する「プロジェクタータイプ」の2種類に大別できます。それぞれの特徴とメリット、デメリットについて紹介します。

ディスプレイタイプの電子黒板

液晶ディスプレイにタッチパネル機能が搭載されており、さながら大きなタブレット端末のように使えるのがディスプレイタイプの電子黒板です。2008年から国の施策で教育現場への導入が始まり、当時、主流だったプラズマディスプレイから液晶ディスプレイに変更することで焼き付きの発生を大幅に抑えるなど、より授業で扱いやすい製品に進化しています。
特に近年は2K・4Kといった画質の向上と大型化が進んでおり、明るく鮮明な画像などによって、より生徒が授業に集中しやすい環境づくりを後押ししています。 また、電子黒板単体で機能するため、外部機器との接続作業や負担が少ないことに加え、液晶そのものの寿命がとても長いことも、ランニングコストの削減につながるメリットの1つです。

ディスプレイタイプを選ぶ際に必ず検討すべきなのが「画面の大きさ」です。教室の広さによっては50インチでも不十分なケースも珍しくありません。
最近では65~85インチの大型ディスプレイモデルも販売されていますが、大型になるほど導入費用も増大します。そのため、教室の大きさや生徒数のほか、設置できるスペースや予算のバランスを考えて適切なモデルを導入しなければなりません。

プロジェクタータイプの電子黒板

PCの画面を、プロジェクター経由でスクリーンや黒板に投影するタイプの電子黒板です。メーカーによっては通常のプロジェクターとの違いを分かりやすくするために「電子黒板機能付き(インタラクティブ)プロジェクター」と称すこともあります。
専用のペンを利用することで、投影した画像などに後から書き込みが可能。書き込みをした画像などもPCに保存でき、基本的な電子黒板としての機能は十分に備えています。

天井などの任意のスペースにプロジェクターを設置して、既存の黒板やスクリーンに映し出せるので、教室のレイアウトを大きく変更することなく導入しやすいのがメリットの1つです。さらに投影する映像全体の大きさも変えられるので、教材をより大きく映し出せるのも魅力の1つです。
その一方、映像の質ではディスプレイタイプの方が高いことが多く、またPCとの接続が必要なので授業の前後にひと手間かかることがデメリットです。

導入の目的に合わせた電子黒板の導入を

GIGAスクール構想などで、今後、さらに注目が高まる電子黒板について解説しました。
電子黒板そのものはもちろん、運用できるネットワーク環境の整備や周辺機器など考慮すべき点はたくさんあります。電子黒板の種類や大きさ、教員への教育など必要な取り組みは各現場で異なりますが、事前に電子黒板を導入する目的を関係者で共有し、それに向けて専門家の意見も参考にしながら、適切なモデルを利用する必要があるでしょう。

経験豊富な三谷商事にご相談ください

電子黒板の導入を検討されている方は、教育現場へのIT機器導入の実績が豊富な三谷商事にご相談ください。下記「お問い合わせはこちら」からお気軽にお問い合わせください。

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