MDMの代表的な3社(Jamf、MobiConnect、CLOMO MDM)の機能や価格を比較

公開日:2021/01/08
最終更新日:2022/06/27

教育現場で端末を導入する際に必ずと言っていいほど検討することが多いのが「端末管理(MDM)ツール」の選定です。MDMを導入すれば、大量の端末管理の効率化・省力化が図れますが、ツールの種類は様々で対応OSやコスト、操作性などが異なります。そこで今回は、MDMの代表的な存在である3種をピックアップして紹介します。ICT担当者は必須の知識なのでぜひチェックしてください。

端末管理(MDM)ツールとは

MDMは「Mobile Device Management」の略語です。導入することでタブレットやスマートフォンなどの端末の操作制限やデータ保護などを行えます。企業や教育機関で端末を配布する場合、情報漏洩や不適切な使用の防止、アップデートや必要なアプリケーションのインストールなどを行う必要があります。ただ、「原則、生徒1人に1台」というGIGAスクール構想のように大量の端末を導入する際、個別に各機能を設定していると非常に非効率で担当者の負担も増大してしまいます。

MDMを導入すれば、各端末の一元管理が可能になり「遠隔操作」、「コンテンツ管理」、「セキュリティ対策」といった機能を活用して、より安全かつ運用しやすい環境を構築可能になります。

Apple製品の管理に特化「Jamf Pro」

iPadの導入する際にまず名前が挙がるMDMが「Jamf Pro」です。提供企業のJAMFの創業理念が「組織でのApple製品の利用を支援する」であるとおり、Jamf ProはApple製品(macOS、iOS、tvOS)に特化した機能が搭載されています。「Jamf Pro」の最大の特長は、Appleを自動登録すれば「Jamf Pro」のサーバーに自動的にデバイスの登録が可能なことです。導入時の課題であるキッティング作業を大幅に短縮できるので、大量導入が基本のGIGAスクール構想においては強力なサポートになるでしょう。

さらに構成プロファイルやスクリプトを使ったデバイスの構築のほか、アプリ管理、プリンタ・WiFi設定の管理も行え、macOS、iOSのセキュリティ対策にも優れています。Macにそこまで詳しくない担当者であっても、管理しやすい環境を構築できる機能が備わっていることが「Jamf Pro」の大きなメリットです。

■Jamf Proの特長まとめ
・Windowsユーザーであっても導入、管理しやすい
・Macや端末そのものにリモートロックをかけられる
・複数のロケーションでも管理可能

■Jamf Proのデメリット
・Apple製品に限定されるので利用できるシーンが限られる

※公式サイト:Jamf Pro
 https://www.jamf.com/ja/products/jamf-pro/

MobiConnect

優れた操作性とiOS、macOS、Windows、AndroidのすべてのOSに適用できる汎用性の高い高度な独自のセキュリティが特長のMDMです。端末管理グループの変更など、ドラッグ&ドロップで設定可能。さらにアイコンの大きさやデザイン、OS毎に実行できる対象の色を変えるなど直感的な操作の実現にこだわっているのも「MobiConnect」ならではといえるでしょう。
さらに「デバイス初期化制限」、「ユーザーアカウントの追加制限」、「Google Playを組織専用にカスタマイズ」といった独自のセキュリティ機能を備えており、より高度なプライバシー保護、情報漏洩防止の環境を整えています。

■MobiConnectの特長まとめ
・全てのOSで利用できる汎用性
・独自のセキュリティ体制
・遠隔操作で端末を管理できるなど機能が充実

■MobiConnectのデメリット
・トレーニングサポート、端末認証などの機能追加には別途費用が必要

※公式サイト:MobiConnect
 https://www.mobi-connect.net/

CLOMO MDM

MDMの国内市場で9年連続トップシェアを誇っているのがCLOMO MDMです。教育機関への導入実績も豊富ですが、どちらかといえばテレワークを推進している一般企業が多く導入している傾向があります。すべてのデバイスが遠隔で一元管理可能で、業務時間外の稼働の制限もできるのが特長で、長時間労働の抑止や深夜帯での使用禁止などを図りやすい機能が搭載されています。情報漏洩対策も徹底されており、紛失・盗難時には即時に端末のデータ削除が可能です。さらに、CLOMO MDMは他社にはない手厚いサポートが魅力です。開発から運用まで自社の専任チームが行うほか、端末の紛失や盗難といったもしもの事態に備えて24時間365日オペーレーターを配置。夜間や休日であっても、担当者を支援する体制が整っています。

■CLOMO MDMの特長まとめ
・手厚いサポート体制
・管理が容易なUI
・教育関連から金融、流通まで幅広い業種での導入実績

※公式サイト:CLOMO MDM
 https://www.i3-systems.com/

それぞれの特長とデメリットを把握してMDMを選定しよう

Apple製品に特化した「Jamf Pro」。独自のセキュリティ機能を搭載した「MobiConnect」。シェアトップクラスで自社開発~運用まで行い、サポート体制が魅力の「CLOMO MDM」。
今回紹介したように、MDMの基本的な性能や導入する目的はある程度似通っているものの、詳細はサービスによって異なります。
タブレットなどの端末を導入することで実現したいソリューションやICT担当者の経験や知識など、各教育現場に合わせてMDMを選定することが重要なポイントの1つです。

デバイス管理は三谷商事にお任せ下さい

今回ご紹介したMDM 3製品以外にも、お客様のご予算・ご要望に応じて様々なソリューションのご紹介が可能です。
MDMの導入を検討されている方は、教育機関でのインフラ構築実績が豊富な三谷商事にお気軽にお問い合わせください。

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