「学習に刺激を」がコンセプト。教育現場がChromebookに注目する理由とは

公開日:2020/11/17
最終更新日:2022/08/10

GoogleのChromebook、AppleのiPad、MicrosoftのWindowsは、文部科学省がGIGAスクール構想において仕様を作成した3つのOSです。そのなかでも、IT化を進める教育現場が増える今、注目されているのがChromebook端末です。Googleが目指す「学習に刺激を」というコンセプトを実現する機能とアメリカの教育現場でトップシェアを誇る「G-Suite for Education」について紹介します。

Chromebookとは

Chromebookとは、検索エンジンで有名なGoogleが開発したChrome OSを搭載したコンピューターのことです。Chromebookの計6メーカー、14機種がGIGAスクール構想の仕様に準拠した端末として補助の対象になっています。世界中で4,000万台のChromebookが教育関係者に利用されているなど、GIGAスクール構想の中心になるOSではないかと注目が集まっています。

Chromebookによる教育現場のソリューション

Googleが目指す教育である、場所や時間に関係なく、学習をより楽しく、良いものにするというコンセプトを達成するため、ハードウェア「Chromebook」とソフトウェア「G-Suite for Education」を統合した「Google for Education」というソリューションをGoogleは提供しています。
Chromebookは頑丈かつ、8秒以内に立ち上がる起動の早さ、さらに3~7万円台と安価なのが特徴です。このような使いやすさと汎用性の高さ、さらに優れた費用対効果からChromebookは2010年にアメリカで発売後、4年で教育分野のシェアトップになりました。端末管理も容易でクラウド型管理コンソール「Chrome Education Upgrade」によって、数百、数千台もの端末を1台で管理することが可能です。

Googleは、クラウド環境の共同編集ツール「G-Suite for Education」を活用することで主体的かつ対話的な学びの実現を描いています。
クラウドを活用すれば、スプレッドシートやドキュメントなどの1つのファイルを複数の生徒が異なる端末で共同編集することが可能になります。1人で考えて作業するよりも意見を交わして実際に手を動かしながら進める方が、創造性が高まるほか、コミュニケーションを学べる機会が増えるといいます。このような従来の授業では難しかった生徒同士の交流を深めるアプローチができるのも「G-Suite for Education」の魅力の1つです。さらにOSは自動でアップデートされるので常に最新の状態を保てます。

■Chromebookの特徴まとめ
・起動が早い
・バッテリーが長持ち
・生徒同士で端末を簡単に共有可能
・セキュリティ環境が安心、安全
・管理アカウント1つでドメイン内のすべてのデバイスを一括管理可能

■G-Suite for Educationの特徴まとめ
・クラスを簡単に管理できる
・場所を問わず、リアルタイムで共同学習や遠隔教育が可能
・すべてのタスクを管理できる
・幅広い選択肢から、最適かつ効率的な方法でコミュニケーションできる
・Googleによる24時間年中無休のサポート

Chromebookによる授業の質向上へのアプローチ

G-Suite for Educationは、クイズやアンケート、小テストなどに利用できるGoogleフォームを備えています。成績の管理はもちろんクラウド上で完結できるほか、回答結果は生徒が完了した時点ですぐに自動採点・集計可能。スピード感のある授業の実現と教師の負担軽減にアプローチしています。検索AIを活用することで、生徒が間違いやすそうな選択肢を提案してくれるなど様々な最新技術を駆使して、授業の質向上をサポートします。また、スライドを作成する場合、Googleの画像検索からそのまま流用できるほか、学校があらかじめ指定した画像のみ検索結果に表示できるなど著作権に配慮した活用も可能です。

これだけは知っておきたい。Chromebookの3つのメリット

Chromebookが教育現場にもたらすソリューションやその具体例を紹介しました。これまでGoogleの製品に関わってこなかったり、ITの知識に触れる機会が少なかったりする人にとってはChromebookの魅力をすべて理解するのは難しいかもしれません。最後にChromebookを理解するうえで、最低限知っていてほしい3つのメリットを紹介します。

常に最先端の機能を使える

IT技術は日進月歩で進化しており、常に最新のアプリなどに触れられる環境づくりは教育現場でも重要です。先述のとおり、Chromebookは常に最新にアップグレードされ、機能やセキュリティ、使いやすさなどが向上します。

教育現場に適したサービスを提供

30人以上の生徒が常に端末を使える状況にしておかなければ、授業のIT化は効率改善どころかストレスが溜まってしまう環境に悪化する恐れがあります。Chromebookは、起動時間はもちろん、バッテリー持ちも抜群なので素早く授業で活用することができます。また、小まめに電源をオフにしても問題ないので、生徒が端末に気を取られることがない環境構築も用意です。

良質なセキュリティ環境

Chromebookは、多層セキュリティを標準装備しており、特別なマルウェア(対ウイルスソフト)は必要ありません。G SuiteなどのGoogleのサービスを活用することで、さらにセキュリティの強化が可能です。

これだけは知っておきたい。Chromebookの3つのメリット

Chromebookの機能やGoogleが目指す教育サービスについて解説しました。セキュリティ対策、生徒の管理はもちろん、実際の授業で活用できるシーンが幅広く、より充実した教育を実現するためのコンテンツが揃っているのがChromebookの特徴です。選べるメーカーやスペックも多いので、まずはChromebookを中心に教育現場に導入する端末を検討してみてはいかがでしょうか。

     

Chromebook導入のポイントが分かる資料がダウンロードできます。

資料の内容

〇Chromebookとは?
〇推奨アプリケーションのご紹介
 Google Workstation for Education / CEU /
 Classroom 等
〇三谷商事オリジナルサービスのご紹介
 ・導入&保守サービス
 ・CEUサポート
  Google Workspaceサポート
 ・端末障害サポート   等

上記以外も有益な情報を公開しています。

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