GIGAスクール構想から数年経ち、第2期を見据えた準備もすでに始まっています。生徒に持たせる端末の一つが、Appleが提供するタブレット「iPad」です。iPadは数あるタブレット端末のなかでも、特に馴染み深い製品で誰もが一度は見たことがあるのではないしょうか?
今回は、学校用の端末として使ううえで気になる「iPadのセキュリティ」について紹介します。
学習用端末の標準仕様
iPadのセキュリティの前に、まずは文部科学省が作成した「GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準」から、iPadOSの標準仕様を確認しておきましょう。iPadのセキュリティの前に、まずは文部科学省が作成した「GIGAスクール構想の実現パッケージ」から、iPadOSの標準仕様を確認しておきましょう。
■iPad 最低スペック基準仕様(概要)
・OS:iPadOS
・ストレージ:64 GB
・画面:10~14インチ、タッチパネル
・無線: IEEE 802.11 a/b/g/n/ac以上
・周辺機器: ハードウェアキーボード及びタッチペン
・カメラ機能: インカメラ及びアウトカメラ
・バッテリ稼働時間: 8時間以上
・重さ: 1.5kg程度を超えないこと(本体及びハードウェアキーボード)
前回は、標準仕様があくまでモデルとして示され、各自治体で仕様作成することとなりました。
今回の第2期では、「最低スペック」での指示に変わりましたが、iPadの場合端末のラインナップが限られているので、仕様を下回るシチュエーションは考えづらいと言えます。
☆三谷商事が推奨!GIGAスクールiPad基本パッケージ
文科省はGIGAスクール構想で使われるiPadのスペックは64GB、キーボードの利用も必須としています。生徒用のアプリケーションは、プレゼンテーション・文書作成のほか、動画編集用の「iMovie」や音楽演奏・録音の「GarageBand」なども付属しており、色々な授業で使用できる内容になっています。
■無料アプリケーション(付属)
・プレゼンテーション
・文書作成、スプレッドシート
・動画編集
・音楽演奏、録音
さらに教職員にも「授業支援ツール」や「無料オンライントレーニング」、さらにIT管理者用に管理用ツールのポータルサイト「Apple School Manager」も提供するなど、生徒・教職員のどちらにとっても魅力的な機能が備わっています。
iPadはウイルス感染する可能性がとても低い
コンピュータとセキュリティと聞くと、まずウイルス感染をイメージする人は多いのではないでしょうか。ウイルスに感染してしまうと、機密性が高い情報の流出や振り込め詐欺、ファイルが破損してしまう可能性があるため、コンピュータを導入した際は対策しなければなりません。その際、パソコンではウイルス対策ソフトをインストールする方法が一般的ですが、iPadにはそのようなソフトはほとんどありません。
iPadで利用するアプリは、通常、App Storeを経由しなければインストールできません。App StoreはAppleが審査して「セキュリティ上の問題がない」ことが明らかになったアプリしか掲載されないのです。つまり、iPadユーザーはマルウェアのようなプログラムを組まれたアプリと遭遇する機会そのものが少ないのです。
ほかにもiPadがウイルスに感染しにくい大きな理由があります。それがiOSの「サンドボックス」という設計です。通常の利用時にはなかなか気付けないですが、実はiPadやiPhoneでアプリを利用する際、外部のアクセスを遮断した専用の領域で動作しています。このサンドボックスという仕組みによって、万が一、ウイルスに感染してしまってもiPad内の他のデータにはアクセスすることができない環境を構築しています。これらの仕組みによって、iPadは元々、強固なセキュリティ対策を行っているのです。
iPadに必要なセキュリティ対策:Webアプリ・ブラウザ
App Storeのアプリにおいては、強固なセキュリティ体制を敷いていますが、Webサイトを経由するリスクには対応しきれていません。たとえば、ワンクリック詐欺はアプリケーションではなく、ブラウザの機能を使って何度も不正請求の画面を表示してきます。ほかにも偽サイトに個人情報やパスワードを入力させる「フィッシング詐欺」などは、iPadだけでは阻止できないのです。
iPadの導入時に不適切なWebサイトへのアクセスをできないように設定するほか、本来の目的以外でiPadを利用しないという「遵守項目の徹底」、さらにセキュリティ・リテラシーを高める指導も行う必要があるでしょう。
iPadに必要なセキュリティ対策:Wi-Fi
GIGAスクール構想では、生徒の校外での端末の利用も想定されています。その際に注意しなければならないのが、「無料Wi-Fi」です。近年、無料Wi-Fiを提供する店舗や自治体が増えていますが、なかには情報の窃盗・傍受を狙ったWi-Fiが紛れ込んでいることもあります。あらかじめ校外で使用可能なWi-Fiをリストアップするなどのセキュリティ対策を行っておかなければなりません。
iPadに必要iPadに必要なセキュリティ対策:盗難・紛失
GIGAスクール構想では、全生徒の端末利用が前提となっているため、iPadそのものを紛失していまい物理的に情報等が盗まれてしまうリスクにも備えておかなければなりません。その場合は、「MDM(モバイルデバイス管理)」を使えば、紛失したiPadの大まかな位置情報を知ることができます。紛失した場合にすぐに次の行動に移せるように、連絡体制も確立しておく必要があります。
教育機関での【iPad管理】に関する資料を公開しています。
~ 教育機関におけるiPadの管理 ご紹介資料 ~
資料の内容
○iPadの管理方法
○iPadの管理でできること
○Apple Configurator 2による管理
○MDM + ADE による管理
○コンテンツキャッシュ
~ Apple School Manager 入門書 ~
資料の内容
〇ASMとは
〇ASMの開設
〇Appとブック
〇Managed Apple IDの管理
〇クラスの管理
○デバイスの管理