組織アカウントとMSアカウントの違いを明確に!マイクロソフトのOutlook(アウトルック)の特長と設定

公開日:2020/07/03
最終更新日:2021/03/16

マイクロソフトが提供する代表的なサービスである「Outlook」は、電子メール以外にも予定表・連絡先管理・メモ機能など、便利な機能がたくさん実装されている個人情報管理ソフトウェアです。文部科学省が進める「GIGAスクール構想」のモデルの1社であるマイクロソフトの端末を選べば、必然的にICT担当者が目にする機会が多くなるソフトウェアなので、早めにその特徴やアカウント設定の方法について学んでおいて損はありません!今回、紹介するOutlookの基礎知識を把握して、GIGAスクール構想による教育現場のIT化に備えましょう。

Outlookとは

Outlookは、ExcelやWordと同じくMicrosoft Officeに含まれています。教育現場では、WindowsのOSがインストールされたパソコンを使うことが多いので、すでにOutlookの電子メール機能を活用している人も多いのではないでしょうか。ちなみに、GIGAスクール構想における電子メールの活用シーンは、以下のように想定されています。

■電子メールの想定利用場面
伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動や遠隔地との意見交流を行う際に、実際に電子メールを作成したり、学校外の人に送受信したりする場面が想定される。

※引用:文部科学省「GIGAスクール構想の実現標準仕様書
https://www.mext.go.jp/content/20200303-mxt_jogai02-000003278_407.pdf

GIGAスクール構想においては、マイクロソフトが提供するプラットフォーム「マイクロソフトGIGAスクールパッケージ」にOutlookも含まれています。マイクロソフトの端末「surface」やパソコンを使う場合、生徒・教職員はほぼ間違いなくOutlookによるやりとりを行う機会があると考えられます。まずはOutlookのそのものの理解を深めるために、電子メール以外の機能を確認してみましょう。

■Microsoft Outlookの機能
・電子メール
・スケジュールの共有
・連絡先管理
・業務管理
・メモ帳

※マイクロソフト「マイクロソフト GIGA スクールパッケージ」
https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/education/default.aspx#primaryR6

Microsoft Outlookのメールアカウントとは

メールアカウントは、電子メールを利用するために欠かせない利用権です。メールアカウントは、主に以下の4つの情報で構成されます。

■メールアカウントを構成する情報
・メールアドレス(識別情報)
・ユーザーID(識別情報)
・パスワード(認証情報)
・メールサーバで設定する情報

この4点が揃えば、基本的にアカウントの作成に取りかかれます。ただし、Outlookを利用するためのアカウントは「Microsoftアカウント(以下、MSアカウント)」と「組織アカウント(Azure ADアカウント)」の2種類があるので注意しなければなりません。学校においては主に後者の「組織アカウント」を利用するのが一般的です。それぞれの違いと組織アカウントのアカウントを設定方法について、下記で紹介します。

MSアカウントと組織アカウントの違い

通常のMicrosoft Outlookは1アカウントに1つのメールアドレスを設定しなければなりません。そのため、個々に「Microsoftアカウント」を作成する必要があります。ただし、GIGAスクール構想では「1生徒につき1端末を提供」が基本なので、すべて手作業で設定していたら大変です。そこで通常は「組織アカウント」を利用して、生徒や教職員個人ではアカウントを作成しない方法がとられます。組織アカウントを活用する利点は、以下の3点が挙げられます。

■組織アカウントの利点
・端末のユーザー(生徒、教師など)が勝手にアカウントを作成できない
・割り当てるメールアドレスに共通のセキュリティポリシーを設定できる
・メール内容の監視などの管理ができる

通常のMicrosoftアカウントは、GmailやYahoo!メールなどのフリーアドレスがあれば登録可能なため、学習以外の目的で利用されてしまうがあり、情報漏洩やインターネットを介した犯罪などのリスクがあります。一方、組織アカウントはICT担当者などが担うことが多い、「全体管理者」というマスターユーザーが必要な分だけアカウントを作成して生徒や教職員に配付します。全体管理者は「パスワードの設定」、「パスワードのリセット」が可能など、作成したアカウントに対してとても強い権限を持ち、管理コンソールを使えばメール内容や添付資料の確認まで可能です。そのため、先述した情報漏洩などのリスク低減が図れます。
ちなみに、数百人規模になることもある生徒のメールアカウントを全体管理者一人で管理するのは、現実的ではありませんよね。そこで、通常は「ユーザー管理者」や「パスワード管理者」など一部のユーザーに限られた権限を付与して、共同で管理することが一般的です。

組織アカウントのメール設定

管理者が作成した専用アカウントを、割り振られたユーザー名とパスワード、アドレスを使えばメール(Outlook)を使えるようになります。基本的に生徒が入学したタイミングなどでメールアドレスを割り当てます。

MSアカウントと組織アカウントは完全に別

Outlookのアカウント設定に必要な基本的な情報を解説しました。これまであまりOutlookに触れる機会がなかった人は、個人用の「MSアカウント」と企業・学校用の「組織アカウント」のいずれかが必要で、GIGAスクール構想では後者を利用して管理者がユーザーアカウントやパスワードを設定し、生徒や教職員はその情報でOutlookを使うことはしっかりと覚えておきましょう。

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