実践編③~LA(ラーニングアナリティクス)で学生支援はどう変わる?学修不振者の早期発見と退学防止~
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公開日:2026/04/09 最終更新日: 2026/04/09

実践編①では、LA導入の第一歩として「可視化」から始める重要性を紹介しました。
また実践編②では、学習データを活用した授業改善の可能性について述べました。
では、LA(ラーニングアナリティクス)は学生支援の現場でどのような役割を果たすのでしょうか。

学修不振者の早期発見と退学防止

近年、多くの大学で重要なテーマとなっているのが、学修不振者の早期発見と退学防止です。
学生の学習状況に問題が表面化するのは、多くの場合、学期末の成績が出た後です。
しかし、その段階ではすでに学習の遅れが大きく、支援が難しくなっているケースも少なくありません。

そのため現在、多くの大学で求められているのは、「結果」ではなく「兆候」を捉える仕組みです。つまり、成績が確定する前の段階で、学習の停滞や学修不振のサインを把握することが重要になります。

例えば、
・講義資料の閲覧回数が少ない
・小テストの受験率が低い、あるいは偏差値が急落している
・レポートの提出が遅れがちになる
・LMSへのログイン頻度が下がる
こうした変化は、成績が確定する前の段階で現れることが多くあります。
LMSに蓄積される学習ログを分析することで、こうした学習プロセスの変化を可視化し、学修不振の兆候を早期に把握することが可能になります。

学生支援には2つの視点がある

学生支援には、大きく2つの視点があります。
一つは、教員やアドバイザーが学生の状況に気づき、早期に声をかける支援です。
もう一つは、学生自身が学習状況を振り返り、学習行動を見直す支援です。
LA(ラーニングアナリティクス)は、この両方を支える仕組みと言えます。
学習ログを可視化することで、教員は支援が必要な学生に気づきやすくなり、同時に学生自身も自分の学習状況を客観的に把握できるようになります。

教員が「直感的に気づける仕組み」をつくる

学生支援の一つの視点は、教員やアドバイザーが学生の状況に気づき、早期に声をかけることです。
多くの大学では、担任制度やアドバイザー制度などを通じて学生支援が行われています。
しかし、履修者数が多い授業や、多数の担当学生を抱える教員にとって、すべての学生の学習状況を細かく把握することは簡単ではありません。
そこで重要になるのが、教員が直感的に学生の状況を把握できる仕組みです。

例えば、学習データを一覧で確認できるダッシュボードを用意し、小テストの得点やレポート提出状況などの指標に基づいて、支援が必要な学生を視覚的に把握できるようにします。
基準値を下回った場合に強調表示するなどの工夫を加えることで、教員は多くの学生の中から注意が必要な学生を素早く見つけることができます。
また、出席状況や留年回数などの情報と学習状況を組み合わせて多角的に確認できるようにすることで、学修不振の兆候をより早い段階で捉えることが可能になります。

こうした仕組みによって、教員は限られた時間の中でも、支援が必要な学生に優先的に目を向けることができるようになります。

学生自身の振り返りを促す

もう一つの視点は、学生自身が学習状況を振り返り、自らの学習行動を見直すことです。
小テストの得点の推移やレポート提出状況、教材の閲覧状況などが可視化されることで、学生は自分の学習状況を客観的に把握することができます。

例えば、
「思ったより教材を見ていなかった」
「この回の内容の理解が十分ではない」
といった気づきが生まれることで、学習計画の見直しや予習・復習の習慣化につながることもあります。

このようにLAは、教員が学生を支援するための仕組みであると同時に、学生自身が学びを振り返り、自律的に学習を進めるきっかけにもなります。

退学防止は「早期の声かけ」から始まる

教員が学修不振の学生を支援するうえで最も重要なのは、早い段階での声かけです。
LA(ラーニングアナリティクス)の環境では、教員と学生が同じ学習状況をデータとして把握できる点にも大きな意味があります。

例えば、
「この回の内容でつまずいていることはない?」
「小テストの結果が少し下がっているけれど、何か困っていることはない?」
といった声かけも行いやすくなります。
学生自身も自分の学習状況を把握できるようになるため、教員とのコミュニケーションが円滑になり、学習上の課題や困りごとを共有しやすくなります。

LAは、学生の学習状況を可視化し、教員と学生の対話のきっかけをつくる仕組みです。
学修不振者の早期発見と退学防止を実現するためには、こうしたデータに基づく学生支援の仕組みを整えていくことが、今後ますます重要になっていくでしょう。
CampusLAは、LMSに蓄積された学習データを活用し、こうした学生支援の取り組みを現場で実践できる環境づくりを支援しています。