学習分析(ラーニングアナリティクス)では、大学の教学マネジメントに関わる用語から、データ分析のための技術用語まで、多様なワードが登場します。
本編では触れきれなかった専門用語について、ここであらためて整理しておきます。CampusLAをはじめとするLAシステムの理解を深めるための参考としてご活用ください。
xAPI(Experience API)
LMS内だけでなく、シミュレーションなど、あらゆる学習活動の履歴を記録・追跡するための国際標準規格です。データは「誰が(Actor)、何を(Object)、経験したか(Verb)」という簡潔なJSON形式のステートメント形式で記述されます。これにより、従来よりも広範囲な学習データ収集でき、そのデータはLRSに格納されます。
LRS (Learning Record Store)
xAPI形式で記録された学習活動のステートメントを安全に格納・管理するためのシステム(データベース)です。非構造化データであるJSON形式のxAPIデータをそのまま扱えることが特徴で、多様な学習データソースから収集された情報を統合し、LAの分析基盤となります。
LTI (Learning Tools Interoperability)
LMSと外部の教育ICTツール(遠隔授業システム、電子教科書、評価ツールなど)との間で、スムーズで安全な相互連携を実現するために策定された技術標準規格です。この規格により、学習者はLMSからシームレスに外部ツールを利用でき、外部ツールの学習ログをLMSやLRSに確実に連携できます。
ディプロマ・ポリシー(Diploma Policy)
「学位授与の方針」です。大学が定める教育目標であり「どのような能力を身につけた学生に学位を授与するか」を明文化したものです。カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)やアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)と連動する、大学教育の根幹をなす三つの方針の一つです。
ディプロマ・サプリメント (Diploma Supplement)
大学などが学位記に添付する、履修した科目、成績、修得した能力、資格などについての詳細を記載した補足資料です。国際的な標準様式に則ることで、他国・他大学間での学位の内容の透明性を高め、学習成果の比較と相互理解を可能にし、国際的な学生・労働移動を支援します。
ディプロマ・ポリシーが示す「学位のため獲得すべき能力」に対し、ディプロマ・サプリメントはその能力が具体的にどの科目や活動を通じて修得されたかを証明・補足する資料となります。
ルーブリック (Rubric)
学習者のパフォーマンス評価(レポート、発表、実技など)のために、評価の観点、段階、具体的な基準をマトリクス形式で明確に示したツールです。評価の公平性・透明性・一貫性を高めるだけでなく、学習者にとっては目標達成に必要な要素を把握し、自己調整学習を促進するためのガイドラインとしても機能します。
FD (Faculty Development)
教育の質を向上させるため、教員の授業設計能力、教育方法論、評価スキル、そしてデジタル技術の活用能力などを組織的・継続的に改善・向上させる取り組みです。LAは、教育改善における根拠データを提供し、エビデンスに基づく教育改善の重要な役割を担います。
SD (Staff Development)
大学運営を支える職員(スタッフ)の能力、スキル、知識を組織的・継続的に向上させるための取り組みです。教育研究支援、企画立案、財務管理、学生対応、デジタル・キャンパス運用などの質を高めることが目的です。
FDが教員を対象とするのに対し、SDは事務・技術職員を対象とします。両者は、大学全体の教育の質と組織力を高めるという共通の目的を持ち、連携して教育環境の改善を推進します。LAは、職員の業務改善や意思決定支援においてもデータ活用(例:学生サポートニーズの把握)の根拠を提供します。
おわりに
学習分析では、教学マネジメント・教育データ・ICT技術など、多岐にわたる領域の知識が必要になります。本番外編が、LAの概念理解やCampusLA活用のイメージをより整理する一助となれば幸いです。